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東大寺二月堂 修二会 行法

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2月27日修二会  今駒清則


「お水取り」 椿の花拵え  撮影:今駒清則

 27日の早暁に別火坊では差懸の裏に粟糊をつけ、真赤に焼いたテッキュウという鉄の棒を押し付けて焼く行事があります。この意味はまったく分かっていません。昔から伝えられた通りしているのです。修二会ではこのように何のためにするのか不明の行事や仕草や言葉があります。変に解釈したり、内容を勝手に変えないでそのまま伝えられていることが素晴らしいのです。

 朝、23日に造った椿の造花を枝に挿して完成させます。これを3月1日には内陣の須弥壇の四隅に飾り付けます。枝に挿す時に誤って落としてしまった椿は不浄として使うことはありません。
 椿の花拵えが終わるころには総別火のお見舞いに娑婆の古練
(シャバコ)が訪れます。しばし懇談すると昼食になります。大広間で一同揃っていただきます。午後はそれぞれ諸道具を整える仕事があります。

「お水取り」 声明の稽古  撮影:今駒清則

 薄暗くなった夕刻には「衣の祝儀」という修二会で着す法衣にかかわる重要な儀式を行います。灯も無い、もうほとんど見えなくなった大広間で墨染めの重衣を着して三礼文を唱えます。秘密、と言うものではないようですがフラッシュなどの明かりは厳禁です。

 その後廊下に出て平衆(四職以外)は法螺貝の吹き合せをし、浄水で潔めお祓いをして阿弥陀経を勤行、東大寺の大鐘(国宝の梵鐘)が鳴ると夜食になり、終わると大広間の廊下で声明の稽古をします。日中の大広間では堅苦しく静粛で多忙に諸用を勤めますが、稽古の後の廊下では火鉢にあたりながら談笑ができますのでリラックスして一日が終わります。
 明日はさらに行事が多い紋日です。
(なお、別火坊内部は一般の方の参観はできません)


修二会を詳細に記録した今駒清則写真集『南無観』についてはここをご覧下さい。


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